労働災害発生から解決までの流れ

第1 労働災害発生から解決までの流れ

労働災害発生から解決までの流れをフローチャートとしたものが以下のとおりです。

労働災害発生から解決までの流れ

第2 労働災害発生直後の対応

労働災害が発生した直後は、なによりもまず被災者の人命救助を最優先することになります。

被災者が適切な医療機関で治療を受けることができる機会を確保するとともに、より適切な医療機関を選択することができるか検討することになります。

次に、被災者の被災状況を保全し、労働災害の状況に関する証拠を確保することを行います。被災状況が防犯カメラ等に撮影されているケースもありますので、証拠が散逸しないように留意しなければなりません。

 

第3 治療(症状固定)までの対応

被災者の治療等の機会が確保できた後は、被災者が回復するまでの間、しっかりと療養に努めていただく必要があります。

もっとも、被災者の治療が終了し、症状固定に至るまでの間も、被災者の治療経過や、残存する後遺障害の内容を把握するとともに、証拠化するため、医療記録への証拠保全を意識することが求められます。

 

第4 労災保険給付の申請

労働災害に遭われた場合、要件を満たすことで労災保険給付による補償を受けることが可能です。

労災保険給付を受けるためには、所定の申請書を労働基準監督署へ提出する必要があります。

 

第5 労災認定への対応

労災保険給付申請に対し、労働基準監督署長は、保険給付の支給・不支給を決定します。

また、被災者は、労働災害によって重傷を負った場合には、後遺障害等級を認定されることがあります。

 

1 審査請求

被災者又は遺族等は、労働基準監督署長が行った保険給付を支給する、支給しないという決定に対して不服がある場合には、その決定をした労働基準監督署の所在地を管轄する労働局に置かれている労働者災害補償保険審査官(以下「審査官」といいます。)に審査請求をすることができます。

審査請求は、直接審査官に対して行うことができますが、審査請求人の住所を管轄する労働基準監督署長や保険給付に関する決定をした労働基準監督署長を経由して行うこともできます。審査請求は、保険給付に関する決定があったことを知った日の翌日から起算して3か月以内に行わなければなりません。

 

2 再審査請求

審査官の決定に不服がある場合や審査請求後3か月を経過しても審査官による決定がない場合には、労働保険審査会に対して、再審査請求をすることができます。

再審査請求は、文書で、労働保険審査会に対して行います。なお、再審査請求人の住所を管轄する労働基準監督署長、最初に保険給付に関する決定をした労働基準監督署長や審査官を経由して行うこともできます。

再審査請求は、審査官から決定書の謄本が送付された日の翌日から起算して2か月以内に行わなければなりません。

 

第6 会社に対する損害賠償請求

被災者またはその遺族が労災保険給付を受けたとしても、労働災害による損害がすべて補償されたわけではありません。

被災者またはその遺族は、労働災害に対する安全配慮義務を怠った会社に対し、労災保険給付で賄われない損害を補填するために、その差額分を損害賠償請求することが可能です。

被災者またはその遺族が会社に対し損害賠償請求する方法としては、主に、①示談交渉、②調停(ADR)、③訴訟、の3つが考えられます。

いずれの解決方法が適切かは、個別の事情によって異なるため、慎重に解決方法を選択する必要があります。

 

1 ①示談交渉

示談交渉は、当事者間で係争案件について直接交渉を行う裁判外手続になります。

裁判外手続ですから、簡易迅速に紛争を解決することが期待できます。

一方、当事者間での交渉であり、第三者が仲介したり判断を示したりするわけではないため、示談内容の妥当性には疑問が残る可能性もあります。また、当事者間での合意が必要になるため、相手方が応じなければ解決はできないことになります。

 

2 ②調停(ADR)

ADRや調停は、示談交渉と訴訟の中間に位置する手続といえます。

第三者による仲介があることから、示談交渉よりも当事者双方の納得を得やすいほか、訴訟よりも経済的・時間的負担が少なく済みやすいというメリットがあります。

一方、ADRや調停は,お互いの合意がなければ解決しないため,終局的 な紛争解決ができなかったり,手続によっては相当程度の費用負担や時間的負担が発生したりするというデメリットがあります。

 

3 ③訴訟

訴訟とは、当事者間の紛争に関し、裁判所による判断を求める裁判手続をいいます。

訴訟のメリットは、当事者間の合意がなくとも裁判所の判断によって終局的な解決を図ることができることにあります。

もっとも、訴訟では厳密な主張・立証が求められるため、時間的・経済的負担が他の手続よりも大きくなる傾向にあるほか、和解が成立しなければ柔軟な解決を図ることが難しいというデメリットがあります。

 

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